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8「ストレス、そして解消」 登場人物:石川・かわいい2年生・ユキ・堀・宮村・創太・有菜・担任の先生。 おまけ「卒業アルバム見せてって言ったらじゃあそっちが見せてくれたらいいよみたいな」「バカップル」 「暇だとこいつらはこういうことしかしない」「においで危険を察知した宮村」 進路に悩む堀の話。 石川が(ユキ曰く)かわいい2年生をふる所から始まる。 創太が有菜を堀家に連れてくる。初登場(2「時間の共有」)よりだいぶ大人しめになっていて、前髪も下ろしている。 宮村は卒業後、家のケーキ屋を継ぐ。 堀の部屋でぐちゃぐちゃになった堀の志望校調査用紙を見つける。 自分がそばにいたのに堀の悩みに気付けなかったと宮村はショックを受ける。 宮村は先生に用紙を無くしたと嘘をつき、その用紙を堀にあげる。 その日、堀は宮村の夢を見る。 ユキが部活に行っている。何部かは不明。 落ち込んでる石川に声をかけるクラスメイトが溝内と同じ髪の色。 コメント ←7「新学期」 9「お大事に」→
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4月3日 ガラガラと、玄関の扉が開いた。 「・・・ん?」 反応が無いので玄関に向かうと、玲奈の姿があった。 「・・・玲奈?」 「・・・」 そして俺の顔を見た瞬間、彼女は泣き出した。 「・・・・・・」 ただ泣いている彼女の心を助ける方法を、俺は持っていない・・・。せめて寄り添うくらいしかできない。能力者と一般人に、やはり溝があるように思えてしまう。 「・・・」 土蜘蛛、おそらくそれだろう。 そう、前回土蜘蛛で人が亡くなられた時と全く同じなのだ。 あれは、忘れもしない3月10日。 「・・・」 あの日も、帰ってきた彼女は泣いていた。 「大丈夫か!?」 「・・・」 そのまま崩れ落ちた彼女の体から、何かの写しが落ちた。 「・・・」 土蜘蛛のレポート、そこには、 「・・・マジかよ・・・」 死者の報告。 「・・・」 俺には、何も言えなかった。 「・・・玲奈ちゃん、大丈夫かしら・・・」 「こればかりは・・・」 そのレポートをなぜか大量に握っていたので、その内の1枚をくすねて家族で見ていた。ごめんな。 「・・・玲奈自身が、乗り越えるしか・・・」 そうは言っても、まだ13歳の彼女にはあまりにも重過ぎる重圧。 「・・・こんな時、助けてあげられないのかなぁ・・・」 「・・・辛いだろうな、色々と・・・」 恋人が居た。その事も感情移入に拍車をかけていると思えた。復帰できないかもしれない、ふと、そんな事が頭をよぎる。 そして、11日昼。 「・・・」 玲奈は、起きてきた。 「・・・あの・・・」 「何?」 「昨日はごめんなさい」 「・・・大丈夫か?」 「・・・はい・・・」 そう、父さんが声をかけても、元気が無いように聞こえる。 「・・・それと、残りの3月、お暇を貰います・・・」 「どうした?」 「・・・少し、調査に行きますので・・・」 「依頼?」 「・・・はい・・・」 「うん、分かった」 後に、危険な場所に向かうと聞いたときにはっきり悟った。 おそらく、これが彼女の答えなのだろう。 危険な場所に自分自身が向かい、他の人を守る。 それが、彼女の乗り越え方。 「・・・大丈夫、必ず帰ってきますわ」 そして、彼女は宣言通り、帰ってきた。 それで、すっきりするはずだったのに。 「・・・」 どうしようか・・・。 「・・・」 いつの間にか、玲奈は泣き疲れて眠っていた。 「・・・」 どうすればいいんだろうか・・・。
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020話 誕生そして再開 走る。 動きが鈍いのがもどかしい。 先ほど受けたスクンダのせいだ。 だがこんなものすぐに効果は消える。 ヒーロー君の出した仲魔・・・先ほどのピクシーとブラウニー。 いずれも下級悪魔だ。 成るほどさすがはヒーロー君、最小限のダメージですむよう弱い悪魔ながら厄介な魔法を使える奴を選んだようだ。 しかし、僕をけん制するために構えたあの鉄パイプ・・・武器はコンピュータだけのようだ。 そして僕とて仮にもメシアあんな下級悪魔の攻撃魔法を食らったところでたいしたことも無い。 注意すべきは状態異常魔法やンダ系の魔法のみ。 それもあんな下級悪魔では連発はできまい。 「ヒーロー君・・・物事には前座とトリがあります・・・もちろんこれは演劇の話しですが・・・」 体が軽くなる、スクンダが解けた。 軽い、スクンダをかけられる前より軽くなったようだ。 「このゲームは所詮!神が僕のために作り上げた試練という名の演劇でしかない!これがどういうことかわかりますかぁあああああ!?」 速く速くもっと速く。 速く追いつくんだ。 「僕が最初に出会った君はぁぁぁぁあああああ!!僕に殺されるための前座でしかないんですよぉぉぉおおおお!!!!」 ロウヒーローの声が聞こえる。 「あいつがあんな大声を上げるなんて・・・」 ヒーローの知るロウヒーローは落ち着いた人間だった。 まるで人が変わったようだ。 「・・・このゲームの魔力・・・か」 人の心にすむ魔。 それは時として人を蝕む。 献身を重んじ神の法に従う彼にもそれは例外ではない。 「ロウヒーロー・・・確かに現状の戦力は君が上だ・・・だが」 ヒーローは鉄パイプを構えた。 「策はできた・・・悪魔召喚師っていうのは力押しだけでどうにかできるような生き物じゃないんだよ・・・」 見えた。 ロウヒーローの視界にヒーローの姿が浮かぶ 追いつくのには時間がかかるだろうが近距離武器しか持たぬヒーローと銃、しかも弾切れの無い銃を持つロウヒーロー。 どちらが有利かは明白であった。 その状況にロウヒーローは笑みを浮かべる 「ふふふ・・・どうやら狩るもとと狩られるもの・・・立場は決まったようですね・・・ふふふふふふふふ」 ふとヒーローが立ち止まったのが見える。 「おや・・・そうか・・・観念しましたか・・・!?」 そう思ったその時ヒーローが何かを投げた。 ロウヒーローはとっさに防御する。 ガンッという音がした。 「ぐぅ・・・」 ロウヒーローの傍らにはカラカラと鉄パイプが転がっている。 「う・・・腕が・・・この威力・・・この遠投・・・タルカジャ・・・ですか」 ヒーローの傍らには獣の姿が見える。 「あれは・・・魔獣サンキ・・・でしたか・・・久しく見ていませんが・・・下級悪魔ですね」 ヒーローの姿はもう無い。どうやら横のビルに入ったようだ。 「ですが・・・僕の治癒魔法・・・忘れたとは言わせませんよぉおおおお!ディアラマァ!!」 ロウヒーローの手が光を放ち腕に受けたダメージが癒えていく。 しかし。 「治癒魔法が鈍いよぉですねぇ・・・」 今使ったディアラマはいつものディアラマではない。 この回復魔法の出力では大ダメージを負ったとき回復しきれまい。 「しかし仲魔を使うヒーロー君とて条件は同じ・・・・・・立場は変わりません・・・」 ロウヒーローはヒーローの入ったビルへと歩いていく。 「追い詰めた・・・わけではありませんね、飛べる仲魔がいればそれにつかまって移動できますからねぇ」 実は飛べる仲魔は先ほど伽耶に付けたハーピーのみなのでそうではない・・・がロウヒーローが知るはずも無い。 「・・・これは」 ビルの入り口に立って気づいた、入り口が凍らされている・・・いや。 「巨大な氷でふさがれていますね・・・ブフ系魔法ですか・・・これでは入れませんねぇ」 ロウヒーロは銃を構え引き金を引く。 光が走る。 しかし。 小さな穴が開いただけだった。 「おや・・・?そうですか、物を貫通するこのジリオニウムガンでは砕くことはできませんもんねぇええ」 ロウヒーローは叫びながら氷に手をかざす。 「マハザンマァ!!!」 ロウヒーローが叫ぶと手から衝撃波が発生して氷を打ち砕く。 「くくく・・・魔法なら問題なく砕けますねぇ・・・」 ロウヒーローは砕けた氷の破片を踏みにじりながら中に入る。 「ジオンガ!」 「スクンダ!」 入ったと同時に先ほどの2匹が魔法を仕掛けてくる 「ぐぅ!?」 「「RETURN!」」 ロウヒーローが振り向く前に2匹はコンピュータまで戻る。 「下級悪魔の分際でぇえええええ!?」 ロウヒーローは気がついた。 「フフフ・・・エレベーター・・・壊されてますねぇ・・・それに・・・」 ロウヒーロは階段の方に目をやる。 そこは先ほどの入り口と同じように氷でふさがれているおそらくその奥にも何枚も氷があるだろう。 「ふはははははははははは!」 ロウヒーローは高笑いを始める。 しかし顔が憤怒の表情に変わる。 「どこまでも小細工をぉぉぉおおおおおお!?いいでしょう!そちらが小細工というなら圧倒的な力で!」 「あなたを蜂の巣にしてあげますよぉおおおおおお!!!」 階下から叫び声が聞こえる。 「氷に切れてるようだな・・・あいつ意外と激情家だからなぁ・・・それですむレベルじゃない気もするけど」 ヒーローは既に最上階まで上っていた。 「ヒホホー・・・もう駄目ホー・・・」 最後の氷を張り終わったジャックフロストが倒れる。 「ご苦労様、ありがとうジャックフロスト・・・COMPに戻って休んでてよ」 ヒーローがジャックフロストに声をかける。 「ヒホ・・・ヒーロー、聞きたいことがあるホ」 「ん?」 「ヒーローは合体で戦力を増強するつもりなんだホ?」 「・・・うん」 「気にしなくていいホ。オイラ達が弱いのはわかってるホ」 「それにヒーローの仲魔になったのはそうされてもいいと思ったから仲魔になったんだホ」 「・・・・・」 「だからお願いが有るホ」 「え?」 「最初の合体は・・・オイラとランタンで合体させて欲しいホ」 「君と・・・ランタンで?」 「そうだホ、ランタン役に立てそうに無いって悩んでたホ」 ジャックランタンはジオやブフなどのような追加効果の無いアギ系しか持たない。 圧倒的に戦力の高いロウヒーローを迎え撃つ際それは致命的だった。 「それは・・・」 「ヒーローがいい奴だってのはみんなの気持ちホ、役に立てなくて悔しいのはよくわかるホ・・・だから」 「フロスト・・・」 「だから合体で役に立つホ、お願いホ」 ヒーローはそっとジャックフロストの頭をなでる。 「わかった・・・ありがとう・・・MAGの都合でみんな呼ぶことはできないけど・・・」 「ヒホヒホ、ランタンにも他のみんなにも伝わってるはずだホ」 フロストが嬉しそうに笑う。 「じゃあオイラは戻るホ、バイボイホー」 そういってフロストはコンピューターに戻る。 「・・・生き残らなくちゃな」 そういうとヒーローは部屋に入る。 ロウヒーローを迎え撃つ最後の仕上げのために・・・。 「フーフー・・・また・・・氷ですか・・・マハザンマぁ!!」 氷が砕け散る。 今のを入れて15枚。 すなわち15発マハザンマを撃ったことになる。 その疲労はどんどん蓄積されていく。 「ふーふー・・・マハザンマは・・・後一発が限界って所ですか・・・」 ロウヒーローは息を荒げている。 螺旋階段を上り折り返す。 また氷が有る。 ロウヒーロは歯軋りをする。 しかし透き通って見える氷の向こう。 「やぁ・・・お疲れのようだね、ロウヒーロー」 ヒーローだ。 「氷はこれで最後だよ・・・とっとと割ったらどうだい?僕を殺したいなら・・・」 そういってヒーローは部屋の中に入っていった。 「フフフフフフフフ・・・ククククククク・・・・マハザンマァ!」 最後のマハザンマと引き換えに最後の氷か破壊される。 それを乗り越えヒーローを追う。 角を曲がりヒーローの入った部屋に入る。 「追い詰めましたよぉぉおおおおおおおおお!?ヒーローク・・・!?」 瞬間。 ロウヒーローの銃を持った手を何かが高速で打ち据える。 「ぐぅ!?」 銃が床に落ちる。 「アドバンテージは無しだだね・・・ロウヒーロー・・・」 ヒーローの鉄パイプだった。 奥に言ったと見せかけ曲がり角の死角で気配を消す。 初歩的な奇襲だが激昂したロウヒーローには効果覿面だった。 「今度有利なのはこちらだよ・・・魔法の連発でお疲れのようだ・・・その上こちらはタルカジャスクカジャともに限界までかかってる」 ヒーローが鉄パイプをロウヒーローに向ける。 「殺す気は無い・・・ただちょっと・・・気絶してもらうだけさ」 「フフフフフフフフ・・・あなたは・・・何時も何時も中途半端だ」 ロウヒーローが何かを取り出し地面に打ち付ける。 とたんに煙があたりを包む。 「煙幕弾!?・・・・ぐっ!?」 通常逃走のために使用するそれを地面に打ち付けた。 煙が・・・はれた。 そこには。 銃を突きつけられたヒーローとヒーローの上で銃を構えるロウヒーローの姿があった。 ロウヒーローが口を開く。 「あの隙に銃を弾くだけで頭を砕くことをしない・・・かといって他人のために死ぬ気にもならない・・・ほんとに中途半端ですよ、あなたは」 ロウヒーローの銃が光る。 「ぐぁああ!?」 打ち抜いたのは右腕・・・握っていた鉄パイプが転がる。 「最初僕・・・昔のよしみで楽に殺してあげるって言いましたよねぇ・・・アレは撤回します」 再び、光。 「うぁああああ!」 今度は左腕に風穴が開いた。 「散々コケにしやがってぇえええええええ!!!じわじわとなぶり殺してあげますよぉおおおおお!?」 次に肩に風穴 。 「両肩ぁああああ!次に両足ぃいいいいいい!!その次は腹ぁあああああ!さらに目ぇえええええええ!」 「僕が満足して脳漿をぶちまけるまでぇええええ!恐怖と痛みにのたうちまわれぇええええええ!!」 「はぁはぁ・・・ふっ」 ヒーローがにやりと笑った。 「何がおかしいぃぃいいいいい?!怯えろ!怯えて僕を満足させろぉおおおおお!?」 「気が付かないか?悪魔召喚師が・・・コンピューターを持っていない・・・何かあるかと思わないか?」 先ほどのヒーローの手には鉄パイプのみ。今も、体のどこにもGUMPは無かった。 「右を見てみな」 ロウヒーローが右を向く。 次の瞬間。 黒い巨大な影。 それがロウヒーローの左側から襲い掛かった。 「ああ・・・ごめん、僕から見て右だったよ」 「最初は悪魔の現れた日、2回目はTDLに向かうあの日・・・」 ロウヒーローを襲った黒い影。 それは今もロウヒーローを押さえつけている。 「なっなっなっ・・・何でこいつがここにぃいいいいいいい!?」 それは・・・。 「君に助けられるのは3回目だね・・・ありがとう・・・まさか君が来てくれるなんて・・・久しぶり、パスカル」 青いたてがみを持つ地獄の番犬。 ケルベロスだった。 「グゥ・・・ヒーロー・・・コイツハ・・・死ハズデハ・・・」 ケルベロスが尋ねる。 「説明は後だ・・・さて・・・ロウヒーロー・・・実は僕は・・・あるものを探してここに入ったんだ・・・君を迎え撃つためじゃない」 ケルベロスの現れたほうにあったもの・・・それはノートパソコン・・・。 「詳しい説明は省くけど・・・強力な仲魔を作るためには・・・パスカルが来てくれたのは嬉しい誤算だけど・・・パソコンが必要だった」 ザヒーローのインストール作業は既に完了していた。 銃創もガリバーマジックにより非常にゆっくりとではあるが回復しつつある。 「でも町はこんなだ・・・電源があるかどうかもあやしい・・・ところでこのビル・・・何の会社か知ってるかい?」 「キスメット出版・・・出版社だ」 「当然記者だっているだろう、となれば当然ノートパソコンは必需品・・・予備電源と共にね」 「もくろみはあたったよ・・・さよなら・・・ロウヒーロー・・・パスカル、頼む!」 「ガゥ!!」 ヒーローの支持と共にケルベロスが爪を振り上げる。 瞬間。 「トラフーリ!!」 脱出呪文。 ロウヒーローのおそらく最後の魔力。 その呪文は・・・成功した。 既にケルベロスの前にロウヒーローはいない。 「グゥ・・・スマン・・・逃ゲラレタ・・・」 「・・・まだ魔法が使えたなんて」 「・・・追ワナイノカ?」 「いいよ・・・もともとぼくから殺しにいったわけじゃない・・・それに迎えに行かなきゃ・・・仲間がいるんだ」 「ソウカ・・・ヒーロー、俺ノ背中ニ乗レ・・・銃創ガ痛イタムダロウ・・・」 ヒーローは屋上の扉を開ける。 ここに伽耶とハーピーがいるはずだ。 「伽耶・・・?・・・どこにいる?伽耶・・・」 ヒーローが一歩踏み出す。 妙な感触がした。 ヒーローが下を見る。 「!?」 髪の毛だ。 ヒーローの足の下には無数の髪の毛が散乱していた。 「ヒーローさん?」 後ろから伽耶の声が聞こえる。 ヒーローが振り向くとそこには長かった髪がばっさり切られた伽耶がいた。 「よかった・・・無事だったんですね」 伽耶がヒーローに近づく。 「あっ・・・この髪ですか?やっぱり包丁じゃ切りづらいですね・・・変じゃないですか?」 「え?ああ・・・似合ってるよ」 「私が切ってあげましたの・・・」 ハーピーが後ろから現れた。 「私・・・少しでもヒーローさんの足手まといにならないようにって思って・・・気休めですけどね・・・」 伽耶が少し笑顔になった。 「・・・うん、休んでる暇も無い・・・速く青葉区から出よう、インストールは終わったよ・・・ノートパソコンと変えのバッテリーも貰ってきた」 新たな仲魔を得て再び二人は動き出す・・・天秤は今だ揺れず・・・しかし別の何かが・・・動き始めた。 【ザ・ヒーロー(真・女神転生)】 状態:疲労 負傷(両腕と右肩に銃創、但しガリバーマジック効果と仲魔ディアによりほぼ回復) 武器:鉄パイプ、ガンタイプコンピュータ(百太郎 ガリバーマジック コペルニクスインストール済み) 道具:マグネタイト700(使用により減少) ノートパソコン 予備バッテリー×3 仲魔:魔獣ケルベロス、妖鳥ハーピーを始め9匹 (ジャックフロストとランタンの合体事故によりケルベロス誕生 他も合体予定) 現在地:青葉区から離脱中 行動方針:戦力の増強 青葉区より離脱 【ロウヒーロー(真・女神転生)】 状態:爪あと、鉄パイプなどによる軽症 疲労大 現在魔法使用不可 武器:ジリオニウムガン 道具:煙幕弾×9(ひとつ使用) 現在地:青葉区(逃走中) 行動方針:ゲームに勝ち、生き残る 体力の回復 【大道寺伽耶(葛葉ライドウ対超力兵団)】 状態:疲労 髪の毛を切る 武器:スタンガン 包丁 道具:無し 仲魔:無し 現在地:青葉区から離脱中 行動方針:ザ・ヒーローについていく Back 019 Next 021
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対馬レオの偽身。 “改造”の概念操作。 虫や動植物の能力を獲得《コピー》する、もしくは体の構成成分を加工する能力。 但し、対馬レオの認識により改造できるのは生物の範囲に限定される。 つまり、幻想種の能力や“魂の力”に基づく能力は獲得(コピー)できない。 また、改造する場合でも人体の構成物を応用することしかできない。 対馬レオはスピリッツの物質への干渉にヒントを得て能力の応用を考案。 自分の能力に合わせて三つに分類しそれぞれ“異殖”“解析”“造身”と名付け定義した。 “異殖《いしょく》“は、他の生物の細胞を複製し、その能力を自分のものとして利用する能力。 “解析”は、文字通り自分や他の生物の構造、状態を知る能力。 “造身”は、自分の体の構成物質を利用して自身の肉体を改造する能力。 “真白き鎧《アーマード・セイント》” “疾走・擬似神速《ヴィジョン・オブ・ディスオーダ》” “熾雷の猛り《サンダーヘッド》” “伝播する慟哭の波《スクリーミングフィスト》” “透徹・伝播する慟哭の波《スクリーミングフィスト・クリアード》” “天を衝き焼く紅蓮の業火《ブレイズ・トゥ・ブレイズ》” “震撃衝声咆《ブラスティング・ハウル》” 以上、具体的な七つの発動形態が確認されている。 ⇒対馬レオ(つしま・れお) ⇒スピリッツ
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960 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/10/05(月) 03 03 30 ID ??? セクハラ系でひとつ。 俺らのサークルにはA男とB子という面子がいたんだが、 あるB子不在の飲みの夜、A男が自分とB子は付き合ってて、 実は同棲中だとカミングアウトしてくれやがった。 確かにB子は彼氏もちだとは聞いていたが、まさかA男がそいつだとは! 仕方ないので俺ら非モテメンバー(二人を除くサークルの面子全員)は、 嫉妬半分羨ましさ半分で、A男を祝福してやったんだな。 で、ある日のセッション中に、些細なことでA男とB子が口論を始めた。 簡単に言うと、A男が手持ちのポーションでB子の窮地を救ったんだが、 B子に「A男さん助けてくださって有難うございました」って言えと要求。 ネタかと思ったらなんかマジで皆も引き始め、B子も徐々にキレ始める。 とりあえずセッション中断してその日は解散になってしまった。 で、数日後にB子がサークル脱退を表明。 なんでもA男と一緒の卓を囲むのが嫌になったからだと言う。 しかも事情を聞いてみると、B子はA男とは同棲どころか付き合ってもなく、 頻繁に送られてくる内容のないメールに辟易していたとか。 代表「A男と付き合ってるんじゃなかったの?」 B子「えっ、だって私彼氏いますよ?」 俺「えっ」 代表「えっ」 そしてB子は俺たちのサークルを去っていったが、A男は今も健在だ。 俺たちは何事もなかったかのように、今日もセッションを続けている。 オチはない。 961 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/10/05(月) 03 38 21 ID ??? 困ったちゃんはいなかった A男というかわいそうな男がいただけさ・・・ 962 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/10/05(月) 04 03 24 ID ??? よかった、モテる困なんていなかったんだ 969 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/10/05(月) 06 47 50 ID ??? 後輩と付き合わなきゃいかん義理はない、って意味じゃね 970 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/10/05(月) 08 02 27 ID ??? 960 ストーカーまがいの行動取ってると判明した人物とごく当たり前に友人づきあいできるものなんですか? 叩きとかじゃなく純粋に男性心理に対する疑問ですが。 972 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/10/05(月) 08 47 27 ID ??? 970 俺にゃ無理だが我関せずで付き合う奴はそこそこいると思われ。 人間自分が当事者になってみないと目が覚めんもんだ。 スレ239
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第287話:奇人と変人、そして狂犬 作:◆a6GSuxAXWA 「あ……」 木の根に足が引っかかり、転びかけた。 と、左手側から回りこんだ腕が詠子を支えた。 「大丈夫かね?」 問いかける佐山に、詠子は微かな苦笑を返す。 「ごめんね。こんなに森を歩くのには、やっぱり慣れていないから……」 「気にする事はない。私も慎重に行こうと思っていたところだ」 森の外縁部。 平野部に対して視界を確保し、何かあれば森側へと逃げ込める位置を確保しながら、二人はE-5まで歩いて来ていた。 「小休止としよう。我々都会人には辛いものがある道行きだからね」 そうは言うものの、佐山が山林を歩く事に慣れていること程度は、詠子にも分かる。 詠子の体力に心を配り、しかしそれを表に出すことなく、何やかやと小休止を取ってくれる。 ……やっぱり“裏返しの法典”君と一緒にいて良かったな。 彼ならば異界でもそう簡単には壊れないだろう。多分、“シチュー”ではなく“魔女”になれる。 ……嬉しいなあ。やっぱり“できそこない”になっちゃうのは可哀想だもの。 「ありがとう。それじゃあ、私に何かする事はある?」 「書き置きをお願いしたい。オーフェン君へ、そうだね…… 『魔女と世界の中心は例の場所へ向かう。“二本目の刀子”君にも、その気があるならば同行を許可しよう。 なお、マジク・リンは第一回の放送の死亡者リストに含まれていた』 というような文章を筆記して紙縒りにし、目立つ木の枝に巻きつけて頂きたい」 運が良いな、と詠子は思う。 これでまた、物語を紡ぐことが出来ると。 「うん、分かったよ。――法典君は?」 「少し周囲を調べてくる事にするよ。ああ、この後は一気に街まで歩ききるつもりなので、花摘みの類は今のうちに済ませておいてくれたまえ」 こくりと頷き、別行動を開始。 佐山の背中を見送ると茂みの陰に隠れ、筆記具を取り出す。 「ええと、法典君の言っていた文章に……物語、と」 さらさらと文字を連ねると周囲を見回し、目立つと思われる枝に紙縒りで紙を結びつける。 そうして茂みの影に戻ると、木に背中を預けて一休み。 いかに精神的に常軌を逸していても、身体は普通の女子高校生。夜通し行動すれば眠気もある。 「小人さん、危ない人が来たら教えてね」 陽気な笑みを浮かべて頷く石斧を持った小人を確認し、瞼を閉じ―― 「詠子君。起きたまえ」 「ふぁ……ん……おはよう、法典君」 肩を揺さぶられて目を覚ます。 時計を確認すれば、既に九時半。 一時間半ほど眠っていたようだ。 「眠気は取れたかね?」 そう言う佐山の手には拳銃。 どうやら、眠っている自分の傍らで周囲を警戒してくれていたらしい。 「うん、ありがとう。――法典君は眠らなくても大丈夫? 私、見張るよ?」 小人さんにも小さくお礼の会釈。 「三日程度ならば徹夜は可能だ。以前に祖父と、眠ったら相手を殴っても良いというルールで一週間ほど修行したことがある」 あの山猿が目を開けて会話しながら眠っていると気付けば、もっと殴れたものを、と胸を押さえながら呟く佐山。 その悔しげな様子に、詠子は微笑み、 「ひょっとして、今その奥義状態で寝ているの?」 尋ねると、ふと佐山は懐かしそうな目をして、唐突に詠子を抱き締めた。 「え?」 そのまま茂みの奥へと押し倒され――同時、遠くで何かが破裂するような音がした。 ……銃声、かな? 佐山はその鋭い瞳で、油断無く周囲を見回している。 それは近隣エリアでの、哀川潤に対する萩原子荻の狙撃音なのだが、二人はそこまで知りはしない。 「静かに。どうやら誰かが狙撃を受けているらしい――我々も狙撃手の射程に入っている可能性がある。森に逃げよう」 そのまま詠子を抱き上げると身を屈め、佐山は森の奥へと駆ける。 人一人背負っているにしては、かなり速い。 枝の間をすり抜け、障害物を踏み抜き、躍動する獣を思わせる動作で森の奥へ―― と、かなりの距離を稼いだ所で、その足が止まった。 「おい、そこのお前。――お前らはこのゲームに乗ったクチか?」 「唐突に何かねそこのヤンキー。人にものを聞く前に、まずは名乗りたまえ」 詠子を抱えたままで、佐山は言葉を発する。 体勢の関係で、詠子は佐山の会話の相手が見えない。 「……ん」 く、と佐山の腕の中で身を捩ると――そこに居たのは、鋲の打たれた革のジャケットを着込んだ人影。 鉄条を束ねたような、精悍な印象の男だ。 「ったく。またコレか……俺はこの島で変人奇人にしか会えねぇ運命なのか? それともこの島に集められたのが俺以外変人奇人なのか?」 まあいい、と男は呟く。 「俺は甲斐氷太。お前らは?」 「簡潔に言おう。私は宇宙の中心、佐山・御言だ。こちらは十叶詠子君……ああ、二人ともゲームには乗っていない」 佐山が答える様子を見て、詠子も一瞬黙考。 「“欠けた牙”さん、かな。豪胆だけどどこか怜悧で――欠けた部分を埋めたくて、常に何かに噛み付こうとする」 「あン? 何だその女は……見透かすような事を」 甲斐が一瞬、容易ならぬ敵と対峙するような気迫を垣間見せる。 それに対して、占いのようなものだと佐山が返し、距離を取ったまま甲斐を見据える。 「さて、我々は人を探している。できれば情報交換といきたいのだが……君は、ゲームに乗っているのかね?」 佐山の問いかけが、木漏れ日の中に響いた。 【D-5/森の中/1日目・9 43】 【佐山・御言】 [状態]:健康。疾走でそれなりの疲労。 [装備]:Eマグ、閃光手榴弾一個、メス [道具]:デイパック(支給品一式)、地下水脈の地図 [思考]:1.仲間の捜索。2.地下空間が気になるが、街付近の狙撃手を警戒。 【十叶詠子】 [状態]:健康 [装備]:魔女の短剣(アセイミ)、『物語』を記した幾枚かの紙片 [道具]:デイパック(支給品一式) [思考]:1.元の世界に戻るため佐山に同行。2.物語を記した紙を随所に配置し、世界をさかしまの異界に 【甲斐氷太】 [状態]:左肩に切り傷(軽傷。動かすと僅かに痛みが走る程度。処置済み) [装備]:カプセル(ポケットに数錠) [道具]:煙草(残り14本)、カプセル(大量)、支給品一式 [思考]:1.眼前の変人たちをどうするか。 2.ウィザードと戦いたい。海野をどうするべきか。ゲームに乗る? 2005/05/05 修正スレ80-82 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第286話 第287話 第288話 第326話 時系列順 第260話 第249話 甲斐氷太 第294話 第283話 十叶詠子 第294話 第283話 佐山・御言 第294話
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事件! 王女と盗賊……そして青銅 その③ 三十メイルはあろうかという土のゴーレム。 その手にルイズが掴まっているという事態に承太郎とギーシュは遭遇した。 このゴーレムは何なのか、目的は何なのか、メイジはどこにいるのか。 疑問はあったがルイズは今にも絞め殺さようとしている最中であり、迷っている時間もためらっている暇も無く承太郎は即断した。 ルイズは承太郎の『腕』の力を知ってはいたが、『腕』だけでこの巨大なゴーレムに太刀打ちできるとは思っていなかった。 「ジョータロー! 無理よ、あんたは逃げ――えっ!?」 地面がめり込むほどの勢いをつけて、承太郎は跳び上がった。 一瞬でゴーレムの腕の高さまで来ると『腕』を出してルイズを握る指を殴る。 「オォォォラァッ!!」 ボゴンと音を立てて指が粉砕し、承太郎はルイズを『腕』で引っ張り出す。 そしてルイズを生身の肉体でしっかりと抱きしめると、地面に着地すべく飛び降りる。 だがゴーレムが足を振り上げて二人を狙う。 空中では動きが取れないため、咄嗟に『腕』を身体の前でクロスさせて防御する。 強烈な衝撃により承太郎とルイズは塔の外壁に吹っ飛ばされた。 「スタープラチナ!」 ゴーレムの蹴りを防いだように壁への衝突を『腕』で防ぎ、壁の表面をずり落ちる。 「ジョータロー! ルイズ!」 慌ててギーシュが駆け寄ってくると、承太郎はギーシュの目を見、抱いていたルイズをギーシュに向けて突き出した。 「ルイズを連れて逃げろ」 「どうする気だ、ジョータロー!」 「奴が何者かは知らねーが、このまま放っておく訳にもいくまい」 「無茶だ! いくら君でも――」 再び承太郎は人間とは思えない速度と高さの跳躍をしてゴーレムに迫った。 承太郎の本当の実力がどの程度のものなのか知らないギーシュは、不安と希望を同時に抱いていた。 だが、自分より前に出てルイズが杖を構えている事には不安を通り越して危機感を抱いた。 「何をする気だルイズ! 奴を挑発するな!」 「うるさい! 目の前に賊がいるっていうのに、逃げる訳にはいかないわ!」 「ジョータローが逃げろと言ったろう!?」 ギーシュがルイズの右腕を掴むと、頬に平手が飛んだ。 「邪魔をしないで!」 怒りのこもった言葉にギーシュは口ごもってしまい、 その間にルイズは杖をゴーレムに向けてファイヤーボールを唱えた。 ゴーレムは巨大だった。あまりの質量を前に、承太郎はメイジ狙いの戦法を選ぶ。 どんなにゴーレムが強かろうと、メイジは生身の人間。 ようするに巨大な土人形のスタンドを操るスタンド使いと戦うようなものだ。 ルイズを助けた時のようにスタープラチナの足で跳躍し、一直線にフーケ本体へ。 だがフーケは承太郎を近づけまいとゴーレムの腕を振るわせる。 しかし遅い! 手が承太郎を捉える前に、承太郎がフーケを捉える! そうなろうとしたまさにその瞬間! 轟音ッ! ルイズの魔法が狙いを外れ、塔の外壁で爆発を起こしたのだ! 「ぬうっ……!」 「えっ!?」 突然のアクシデンド。承太郎もフーケも爆風から身を守らねばならなかった。 ここで空中にいた承太郎と、ゴーレムの肩にいたフーケの差が生まれる。 フーケはゴーレムの身体にしがみつき、かがんでいればよかった。 だが承太郎は爆風によりバランスを崩し、爆煙で視界をふさがれてしまった。 「オラオラオラオラオラッ!」 爆煙の中スタープラチナの拳がうなるが、爆発のショックでゴーレムが傾いたせいで、拳の狙いがそれ空を切ってしまった。 「くっ、何が起きて……えっ? 宝物庫の壁が……!」 フーケは承太郎の攻撃から逃れられた事と、宝物庫の壁に今の爆発でヒビが入った事、この二点に気づいた。 ニンマリとフーケは笑い、さっそくヒビの入った壁をゴーレムのパンチで粉砕する! さらなる轟音が鳴り響き、承太郎やルイズ達の頭上に瓦礫が降り注ぐ。 「うわっ、あ……!」 ギーシュは身をすくめ、瓦礫が自分に当たらない事を祈った。 だが『自分に当たりませんように』と願いながら見上げてみれば、人の頭くらいの大きさの瓦礫がこちらに――目の前のルイズの頭目掛けて落ちてきていた。 「ルイズ! 危ない!」 咄嗟にルイズを突き飛ばした直後、ギーシュは背中に強い衝撃を受けて転倒した。 視界がガクンと揺れ、それでもピンクの髪は目立ち、ルイズがどこにいるかは解った。 「うっ……ギーシュ? ギーシュ!」 ルイズが慌てて振り返る。ギーシュはうつぶせに倒れたまま動かない。 最悪の予感がルイズの脳裏をよぎった。 だがすぐにギーシュは顔を上げ、薔薇の杖を掲げ、花びらを舞わせた。 「えっ?」 ワルキューレが七体ルイズの前に出現し、スピアを構えた。 フーケは宝物庫に飛び込みながら、承太郎を危険視し、狙いのお宝を盗み出すまでの間の時間稼ぎをすべく、すでに行動を起こしていた。 ピンクの髪はよく目立つ。 すぐに狙いをつけてゴーレムの足で踏みつけようとした、だが一体のワルキューレがルイズを担いで逃げ出す。 「なっ、何するのよ! 放して!」 ワルキューレを操っているのがギーシュであったため、ルイズは激昂して抵抗した。 そうこうしてるルイズの後ろで、もう一体のワルキューレが何とか逃れ、残り六体のワルキューレはいっぺんにゴーレムに踏み潰された。 ルイズを担いだワルキューレは、地響きによって転倒しルイズをその場に放り出してしまう。 「キャアッ!」 地面を転がって、ルイズはギーシュのすぐ隣に仰向けになって倒れ込んだ。 「ううっ……」 ルイズの視界の中、土ぼこりで汚れきったギーシュがよろけながら立ち上がる。 「ルイズ。君は『薔薇になぜ棘があるのか』知っているかい?」 こんな時に何の話を、とルイズは心の中で毒づく。 薔薇の造花、己の杖を構えながらギーシュは高らかに言った。 「それは『女の子を守るため』さ!」 ルイズを助けようとしたため被害から逃れたワルキューレが、ゴーレムの足にスピアを突き刺す。 だがゴーレムは何て事ないといった風に足を上げてブンブンと左右に振り、まるで虫けらのようにワルキューレを振り飛ばした。 ギーシュが一度に出せるワルキューレは七体、もうワルキューレは出せない。 それでもギーシュは一歩踏み出し、ルイズとゴーレムの間に立つ。 「何やってんのよ! 殺されるわよ!?」 「ルイズ、どうしよう。もう魔法を使うどころか、立ってるのがやっとだ……」 「ギーシュ!」 ルイズは立ち上がり、杖を構えた。もう一度、失敗でもいいから爆発を起こしてやる。 今度は狙いを外さない。 狙いは、今にも自分達を蹴り飛ばそうと振り上げられているゴーレムの左足。 だが詠唱する暇が無い、と思い知らされる速度で左足が迫ってきた。 あまりの巨大さに、一発食らえば中庭の外まで吹っ飛ばされてお陀仏だと瞬間的に理解する。 死ぬ。死んでしまう。 ルイズもギーシュもそう確信し、死の恐怖に心を震わせながら、瞳は、瞳は確かに『それ』を見ていた。 圧倒的質量を持って迫る『死』という存在の前に回りこんだ『黒い影』を。 黒い帽子、黒い髪、黒い服、黒いズボン。 空条承太郎! 195サントある承太郎の身長だが、それに匹敵するゴーレムの爪先。 土のゴーレムといえどこの速度この質量、受け切る事などできるはずがない! 承太郎の学ランが、強烈な風圧を受けてはためいた。 「オオオオオオッ!」 身動きの取れないルイズとギーシュを背後に、圧倒的破壊力を持つゴーレムの左足を前に、承太郎は吼えた。 その声は闘志に燃え、ルイズとギーシュの恐怖を吹き飛ばす! 「オラァッ!」 バゴンッ! 承太郎の右腕から出た『右腕』がゴーレムの爪先の先端を吹っ飛ばす。 「オラァッ!」 ドゴンッ! 承太郎の左腕から出た『左腕』がゴーレムの爪先をさらにえぐる。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」 左右の拳が残像を残すほどの速さで猛烈なラッシュを繰り出す! その一発一発がギーシュのワルキューレを容赦なく粉砕する威力! 鉄よりも脆い土のゴーレムは強烈なラッシュに、爪先から踵まで真っ二つに粉砕する。 左右を通り抜ける巨大なゴーレムの足の迫力にルイズとギーシュは驚きながらも、それ以上に承太郎の『腕』の力強さに驚嘆する。 そしてついに三十メイルあるゴーレムが尻餅をついて倒れ、地響きを起こした。 三人を囲うように舞う土ぼこりの中、承太郎は学帽を深くかぶり直しながら、こちらを振り向いて『終わった』と言わんばかりの態度を取った。 「やれやれだぜ」 承太郎の口癖。それはまさに『勝利宣言』のようにルイズとギーシュは感じられた。 「た、助かったぁ~……」 安堵のため気が抜けてしまい、ギーシュは情けない声を上げてその場にへたり込んだ。 土と冷や汗でよごれ、瓦礫で負傷し、ボロボロになってしまったギーシュ。 とても『薔薇』とは呼べないその姿を見つつ、承太郎は静かに声をかけた。 「……ギーシュ。おめーが奴に立ち向かわなければ……間に合わなかった」 「は、はは……もう二度と、こんなのはゴメンだよ……」 疲れたような口調ではあったが、表情はやり遂げた男だけが見せる頼もしさがあった。 そんな彼を見て、ルイズは震える唇をギュッと閉じる。 ――最低最悪の侮辱をしたギーシュが、命懸けで自分を守ってくれた。 それだけは揺ぎ無い事実であり、彼の勇気を賞賛し、感謝せねばならないものだった。 だが、感謝の言葉が出てこない。 つまらない意地を張っているのか、ギーシュを認めたくないのか、何も言えない。 正真正銘命を救ってくれた承太郎に対してもルイズは同じような気持ちだった。 自分が何とかしようと魔法を使ったら、失敗して、承太郎の足を引っ張ってしまった。 そしてギーシュに助けられ、承太郎に助けられる自分。 『こうでありたいという自分』と現実のギャップが痛々しく小さな胸を絞めつける。 「ところでギーシュ、メイジがゴーレムを操れる『射程距離』はどの程度だ?」 「メイジの技量にもよるから正確には言えないけど、 あのゴーレムを操った奴はまだ近くにいると思う……」 「となると……塔の中か?」 ゴゴゴゴゴゴ……。 ポッカリと穴の空いた塔の外壁を睨みつけた承太郎は、そちらに向かって跳ぼうとする。 しかし視界の端で起きた変化に視線を向ける。 丁度土のゴーレムの足が修復完了した瞬間だった。 「何ッ……!?」 ゴーレムは即座に立ち上がると、再び塔の外壁に手を伸ばし、手のひらの上に人影が飛び移る。 ニヤリ、とフードをかぶったそいつの唇が笑うのを承太郎はスタープラチナの目で捉えた。 その笑み、まるで「足手まといのお世話ご苦労様」と言わんばかりに嫌味たっぷり。 「野郎ッ……!」 一気にゴーレムの手に跳び移って本体を叩こうかとも思った承太郎だが、今はルイズとギーシュという怪我人を抱えてしまっている。 下手に動けば、またこの二人を狙われるだろう。迂闊には動けない。 そんな承太郎をあざ笑うように、フーケはゴーレムを動かした。 学院の外へ向けて。 承太郎が追いかけようとすると、頭上に青い影が見えた。 タバサのシルフィードだ。 ようやく品評会会場の連中が騒ぎに気づき、機動力のあるタバサが一番に駆けつけたらしい。 タバサはシルフィードに乗って空中からフーケを追跡する。 承太郎も走って追いかけようとしたが、さすがに三十メイルのゴーレムとは歩幅が違いすぎた。 後ろからゾロゾロと学院関係者や警備の連中も駆けつけてきたので、スタープラチナの足で跳躍を繰り返して追う姿を見せる訳にもいかない。 「やれやれ……あのゴーレム、一部の特性がザ・フールに似ているらしい。 土と砂の違いか。奴を追うのはどうやらあのドラゴンに任せるしかねーようだな」 しかし、学院から離れた位置でゴーレムは崩れ去り、その場にフーケの姿は無かった。 その旨をタバサから報告されたオールド・オスマンはどうしたものかと悩むのだった。 そして宝物庫に残された書置きから、盗賊は土くれのフーケだと判明。 こうしてこの事件は一時の小休止を得る。 盗賊、土くれのフーケによる『破壊の杖』の盗難と逃亡。 アンリエッタが品評会を観覧しに来たため、学院の警備を王女に割いてしまった責任。 このふたつが今後解決せねばならない問題である。 ルイズは宝を守れず賊を逃がした事をアンリエッタに詫びたが、アンリエッタは警備を割かせた自分にこそ責任があり、 王宮に報告しなければならない事を伝え……ルイズの心は痛んだ。 最悪、アンリエッタの責任問題になりかねない。 不幸中の幸いというか、ゴーレムに握り潰されそうになったルイズの負傷は軽く、特に治療しなくても少し休んだ程度で普通に動き回れるようにはなった。 だが青銅のギーシュの負傷は重く、ルイズをかばって複数の瓦礫に当たったのか、打撲だけでなく一部の骨にヒビも入っていたようであり、衛兵が駆けつけると安堵したのかすぐ気を失い、水のメイジによる治療を受けねばならなかった。 おかげでルイズはまだギーシュに何も言えないでいるが、自分の気持ちの整理もついていないので、話せる状態でもきっと何も話せなかったろう。 そして翌朝――土くれのフーケと遭遇したルイズと、追跡を試みたタバサが、オールド・オスマンに学院長室へ呼び出された。
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白レン 初登場話 18 SLUM No.5~そして狂を生きる 死亡話 178 ライジングゲーム 登場話数 8話(多部作を含むと11) 現在状況 一日目の夜にA-3工場で死亡。 初期支給品 エーテライト、金糸雀のバイオリン、ヴェルグ・アヴェスター キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 解説 初遭遇話 レン その他 自分の分身のような物。 ロワ内では再会していない。 レッド 敵対 襲撃し、殺害した。 18 SLUM No.5~そして狂を生きる リディア 敵対 レッド諸とも殺そうとしたが、撃退された。 18 SLUM No.5~そして狂を生きる ヘビィ・D! 敵対(物) リディアの所有物。FINALFANTASY4出典、と言って良いのか。 18 SLUM No.5~そして狂を生きる イシドロ 支配 襲ってきたのを返り討ちにし、調教して下僕にした。 79 Cinderella cage 蒼星石 利用 仲間として取り入り、利用するつもりだった。 94 ようこそ悪いユメの中 タバサ 利用 仲間として取り入り、利用するつもりだった。 124 Do you need a friend? バルディッシュ・アサルト 利用(物) タバサの所有物。魔法少女リリカルなのは出典。 18 SLUM No.5~そして狂を生きる リリス 敵対 襲撃され、不利になったので逃走した。 160-1 リリス乱舞/斬、そして……(前編) グリーン 敵対 リリスの仲間。こぶたにされた。 160-1 リリス乱舞/斬、そして……(前編) 野比のび太 敵対 こぶた時に追いかけ回された。 160-3 リリス乱舞/斬、そして……(後編) シャナ 友好 のび太に追いかけられてる時、助けられた。 166-1 全ての終わり、一つの始まり――そして誰かいなくなった(前編) 高町なのは 利用 トラウマを抱えて眠りに就くのを見て、利用しようと―― 171-2 大した事じゃない(後編) 最終状態 一日目の夜に、白猫状態で、高町なのはのディバインシューターにより頭部を吹き飛ばされて死亡。 踏破地域 D-2(森)→C-3(塔)→C-2(森)→B-2(草原)→A-3(工場) A B C D E F G H ■■■■■■■■1 □□□□■■■■2 □■□□■■■■3 ■■■■■■■■4 ■■■■■■■■5 ■■■■■■■■6 ■■■■■■■■7 ■■■■■■■■8
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ぼうかんしゃたるゆえん【登録タグ IA Over Forte VOCALOID ほ 曲】 作詞:UME(Over Forte) 作曲:UME(Over Forte) 編曲:UME(Over Forte) 唄:IA 曲紹介 「触れることすらできない僕は、ただの傍観者だ」 Illust:ホメドウ(Over Forte) Mastering:おむ Over Forte 5thアルバム『Shelter』収録曲。 関連作品?:「或る空想家の情景」 歌詞 (PIAPROより転載) 雑踏を見下して放った言葉は、流行に肖った機械のようで 考えず吐き出した綺麗な言葉に、真実のものなんて微塵も無くて 傍観だって憂いて後悔縋って詭弁に頼って枯れていく 本当の声聞こえてますか? 幻想、飲まれ、今を引きずった 早計たる理論で、穿った真実すら希望論で 干渉できず僕は筆を折る 欠陥だけの感覚喚いて理想像すらも暗幕の眺望 描かれるその詩の意味を教えて 慟哭冷えて夢を見る方へ等しく届け捻くれた光景 教えてよその曲の意味を 口ずさみ紡いだ言葉、明日には忘れていくだろう? 記憶さえされない僕の、歌に価値などはなく 感情さえも無いような音を、綺麗と語る声が響いて 表面的な幻想の毒に依存し、声も無いまま笑うよ 欠陥だけの感覚喚いて理想像すらも暗幕の眺望 描かれるその詩の意味を教えて 慟哭冷えて夢を見る方へ等しく届け捻くれた 光景 教えてよその曲の意味を コメント 名前 コメント
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《京介の失言》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト1/青 [アプローチ/自分] 自分の【オタク】を持つキャラ1枚は、ターン終了時まで+20/±0を得る。 (たかがアニメ?) 俺の妹がこんなに可愛いわけがないで登場した青色のイベントカード。 自分の【オタク】キャラ1枚のAPを20上昇させる効果を持つ。 【オタク】専用のコンバットトリック。コスト0でAPを20上昇させることが可能。 《マスケラ~堕天した獣の慟哭~》と対になる効果で、こちらはアプローチ用。 ノーコストで発動できるため追加効果は特にないが、癖がないため使いやすい。 DPは変化しないため相討ちには要注意。 <オタク>には是非採用したい。 カードイラストは第2話「俺が妹とオフ会に行くわけがない」のワンシーン。フレーバーはその時の桐乃の黒猫のセリフ。 関連項目 《マスケラ~堕天した獣の慟哭~》 収録 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 01-106 俺の妹がこんなに可愛いわけがないスターターデッキ 01-106 編集